貝原益軒が、「胃腸が好む食べもの」と、「胃腸が嫌う食べもの」を紹介しています。今回は、「胃腸が嫌う食べもの」13種類を記載します。
ミカン科ゴシュユTetradium ruticarpum の花蕾(千葉大学柏の葉キャンパス薬草園) |
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胃腸が嫌う食べものとは、
1,生々しいもの
2,冷たいもの
3,硬いもの
4,粘りが強すぎるもの
5,汚く清潔ではないもの
6,臭いもの
7,火が十分通っていないもの
8,煮過ぎてしまい、食材の風味を失ったもの
9,調理をしてから時間がたちすぎたもの
10,未熟な木の実や果実
11,古くなってしまい、本来の風味を失ったもの
12,五味(※)のつりあいがとれていないもの
13,脂っぽくて、味が重く感じるもの
これらは皆、胃腸が嫌う食べものである。これらを食べると胃腸を傷めるので、食べるべきではない。
(貝原篤信 編録『養生訓』巻第三 飲食 上から)
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(※)五味とは、酸っぱい、苦い、甘い、辛い(スパイシー)、しょっぱいという、東洋医学で言われている5種の味のことです。(T.K.)
底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている『養生訓』(貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。