シナマオウの不思議な花

2015年6月23日火曜日

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 左の写真は、マオウ科シナマオウ Ephedra sinicaの地上部です。一般に、モンゴルやロシアの乾燥した土地を好んで自生しているそうです。日本のように湿度が高い環境下でも、このように立派に育っているのにはびっくりしました。


 漢方では、地上茎を生薬「麻黄(まおう)」として利用しています。小野蘭山の門人である内藤尚賢が著した『古方薬品考』には、『図経』からの引用として、「麻黄は、春に芽が出て、夏になれば丈がほぼ一尺(約30cm)になる。そして、枝の先に黄色い花が咲く。立秋を過ぎたら、茎の部分を刈り取り、色が青っぽくなるまで陰干しする。」と書かれています。右の写真は、先日薬草園で見つけたシナマオウの花です。



 『神農本草経』には「麻黄は、悪寒がしたり関節が痛くなる病気、頭痛、発熱する病気を治す。発汗させて体表から邪気を追い出し、咳を止める。腹部腫瘤を破る。」と記載されています。麻黄は日本では頻用される生薬です。『神農本草経』の記載どおりに、風邪の初期や、関節が痛くなるご病気によく処方されます。「腹部腫瘤」というのは、どういう疾患を指すのか私にはわかりませんが、麻黄にはまだまだ未知の薬効がありそうですね。T.K.

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