キキョウの続き。
皆さん、明日から食べ物がないとなったら、どうしますか?
先日の日本東洋医学会学術総会で、国立科学博物館の加藤雅啓先生が「日本の固有植物」と題したお話の中で、現在、地球では6回目の生物大量絶滅に向かっているとのことでした。やはり自然破壊が大きな原因となっているようです。
もっと短いスパンで見ても、江戸の大飢饉にあるように、異常気象による飢饉は度々ありましたし、近年ではお米の不作により、海外から輸入したこともありましたね。
では食べ物がないとき、キキョウは食べられてたんでしょうか?
江戸時代、主に東北地方で度々起きた飢饉では、キキョウの若葉や根を茹でて水にさらして食べ、「救荒植物」として用いられたこともあったそうです。なので、答えはYesです。
茹でて水にさらすという方法を編み出し、安全にそして食べやすくするための工夫がなされています。
米沢藩の上杉鷹山公が救荒植物に関する資料「飯粮集」「かてもの」をまとめ、知識の普及と備蓄に努めたことで、天保の飢饉において大きな効果をもたらしたといいます。
東北地方において、山菜料理が豊かな文化として伝承されているのはこのお陰です。
先進国では食品の廃棄量も多いと言います。将来のためにもまずはできることからやっていきたいものです。(S)