英語では桔梗をバルーンフラワーと呼ぶそうです。
小学生頃に読んだ「子育て幽霊」に桔梗のつぼみの中には小さな魂が宿っていると記してあって、花が開くたびにシャボン玉のような透明な魂が天に昇る様が思い浮かびます。
しかし、「子育て幽霊」のお話には桔梗は出てこないのです(?)
お母さん幽霊が三途の川の渡し賃で6日間、飴を買いにお店に行きますが、7日目は「お金がないのですが、飴を分けて下さい」と飴屋の店主夫婦に頼み分けてもらいます。こんな夜更けに買いに来るなんで何処の人だろうと追っていくと真新しいお墓に赤ちゃんが鳴き声を上げていたと、大雑把に言えばこの様な怪談です。
さて、生まれたばかりの赤ちゃんは飴を舐めるのだろうか?というのが疑問でした。頭に浮かぶのは「さらし飴」や「千歳飴」など砂糖が日本に渡来する前の飴なのですが、どうにもすっきりしません。
しかし、金沢に古くからある飴屋さんは創業者が「母乳が出なくて困っているお母さんをみて、そのかわりになるものを」と麦芽糖の水飴を考案したそうです。
漢方でも「膠飴:こうい」という米、小麦、粟などの粉に麦芽を混ぜて糖化させ煮詰めた生薬があり、滋養強壮や健胃に働きます。
きっと、お母さん幽霊は「膠飴」に似た水飴で赤ちゃんを育てたのでしょうね。(Y)
金沢 ひがし茶屋街(2013)(S) |