『養生訓・総論 上』(5):人生の三つの楽しみ・・・善き行い、健康、長寿

2016年2月2日火曜日

t f B! P L

養生に関連して、総論的なお話がもう少し続きます。

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 私が思うに、人生における楽しみは三つあります。一つめは人の道にはずれることなく善き行いを楽しむこと、二つめは身体に病がなく健康を楽しむこと、三つめは長寿を楽しむことです。財産があったり、社会的地位が高くても、この「三つの楽しみ」がなければ、本当の幸福はありません。だから私は、財産や地位は、「三つの楽しみ」に入れていません。

 もし、善き行いを楽しまず、また正しい養生法を知らず身体に病が多く、果ては短命に終わる人は、この「三つの楽しみ」を味わうことができません。この「三つの楽しみ」が無ければ、どんなに大富豪になったとしても、幸せになることはありません。

 人として生まれて、この「三つの楽しみ」を味わうためには、きちんとした手段や方法が必要です。

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少し色づいたアカネ科クチナシGardenia jasminoidesの果実(昨年11月末の千葉大学柏の葉キャンパス薬草園にて)
今日の部分は、貝原益軒の人生観を垣間見ることができる文章ですね。

前置きが長かったのですが、次回からいよいよ、具体的な養生法の部分に入ります。(T.K.

 底本は、千葉大学附属図書館によりデジタル化され一般公開されている 千葉大学附属図書館デジタルコレクション『養生訓』 (貝原益軒の没後百年にあたり刊行された版)です。

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