クソニンジン・・・かわいそうな名前が付けられちゃっています。
キク科のお花もかわいらしいのに・・・
クソニンジン(Artemisia annua L.、キク科)
花をつぶしてみると良い香りがしますが、葉は確かに臭い。
ニンジンに似た葉で臭いため、クソニンジンなのだそうです。
でも立派な薬用植物で、解熱作用があり、古くから結核やマラリアなどの慢性消耗性疾患の発熱に使われてきた経緯があります。
マラリアに対する活性本体のひとつが、アルテミシニンという化合物。
有名な製薬会社も関係して2008年にアルテミシニンの供給を増やすための開発協定を結び、2014年に製品として出荷されたそうです。
英語サイトです。
http://www.path.org/news/press-room/685/
酵母菌を利用して、前駆体のアルテミシン酸をせっせと作らせ、ひと手間かけてアルテミシン(正確にはその誘導体)にしたという半合成品です。
これによって安定供給や価格の安定化などが期待されています。
マラリアは熱帯・亜熱帯地域では年間3-5億人が罹患し、100万人以上が命を落とす深刻な病気です。子供の死亡率にも大きく影響していますので、役に立っていることを願うばかりです。
http://www.unicef.or.jp/j8/g8/pdf/05.pdf
人、いや、植物は見かけによりませんね。お勉強になりました。
(S)