昭和26年、検見川にあった東京大学検見川厚生農場の落合遺跡で発見された2000年以上前の蓮の種が開花、その系統は今も千葉公園の蓮池で美しい姿を見せています。
ところで、蓮の実は中華料理でお茶請けに出されたりしますが、生薬でも「蓮肉:れんにく」として活用されています。効能は止瀉や滋養などですが、養心安神作用もあります。
「養心安神」とは神経が繊細で憂鬱な状態に対し、神経を太くして気持ちを安定させるという意味になるでしょうか。
ギリシャ神話でも蓮(ロータス)のおはなしが出てきます。
印象的なのが、「オデッセウス物語」で、トロイ戦争の英雄が帰国の途で神々の邪魔に会い数々の困難に遭遇しながら故郷に帰りつくという内容です。
漂流先の島で食べた蓮の実は「気持ちよくなり、何もかも忘れる」働きがありました。安神と忘却は意味が異なりますが、気分を安らかにするのは通じるものがあって興味深いです。(Y)