ミシマサイコ

2015年7月30日木曜日

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現在薬草園で開花しているセリ科ミシマサイコBupleurum scorzonerifolium についてご紹介致します。
江戸時代の本草学者である小野蘭山は『本草綱目啓蒙』の「柴胡(さいこ)」の項目で、こう述べています。

「鎌倉柴胡が本物である。現在は鎌倉では柴胡を生産していないが、以前は鎌倉で良品が生産されていたために、現在でも鎌倉柴胡と呼ばれている。三島柴胡(ミシマサイコ)と呼ばれるものも良い。」平成の現在、鎌倉柴胡は市場にはなく、ミシマサイコが良品として使用されています。

「葉の形は大葉麦門冬(ヤブラン)の葉の形に似て、しかし、短く、薄く、縦のすじが多い。茎には紫色のすじがある。葉間から枝分かれし、小さな黄色い花が開く。花の集まり方は芹(セリ)の花の様であり、花の形は茴香(ウイキョウ)の花の様である。」と述べられています。
漢方では、根を生薬名「柴胡(さいこ)」として利用しています。

『神農本草経』では、「胸や腹の病に用いる。胃腸の中の邪気、消化不良の飲食物、できもの、寒さや熱さを去る。新陳代謝を助け、長期に内服すると、身体が軽くなり、目が疲れなくなり、精力がつく。」と記載されています。

当院でも、呼吸器疾患やメンタルヘルス不調の治療させて頂くために、よく使用している生薬です。T.K.

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東洋医学に基づいた丁寧な診察を行い、本格的な漢方治療・鍼灸治療をご提供しております。 どなたでも受診できますので、お気軽にご相談ください。

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