ハマゴウ

2015年9月14日月曜日

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 薬草園の片隅で、上品なうす青紫色の花が咲いています。ハマゴウ属ハマゴウVitex rotundifoliaの花です。漢方では、ハマゴウの果実を生薬名「蔓子(まんけいし)」として利用しています。
 小野蘭山は『本草綱目啓蒙』の木之三・灌木類の「蔓荊(まんけい)」の項目でこう述べています。

「海岸や湖のほとりの砂地に群生している。遠くから見ると、水楊(かわやなぎ)に似ているかも。高さは四五尺(一尺=約30.3cm)になる。枝は地面に沿って成長し、藤蔓(ふじづる)の様になる。枝が土に近づくと、鬚根(ひげね)が生えてくる。

 葉は円形で、大きさは一二寸(一寸=約3.03cm)。葉の表面は深緑色で、裏面は白色なので、風にそよいで白っぽく見え、よい香りがただよう。

 夏には、枝の先に五寸程度の茎がはえ、ここに花がつく。花の大きさは五六分(一分=約3.03mm)で、花の根元は筒状だが先端では五弁に分かれる。花の色は、深い碧色で美しい。」
  『神農本草経』では、「蔓子(まんけいじつ)」として上巻に登場します。「筋肉や骨の間に寒邪や熱邪が入り込んで痛みを生じたり、湿邪が入り込んで痙攣する状態に使われる。」と記載されています。T.K.

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