「真っ赤な秋」、懐かしいですね。子供の頃よく歌いました。移りゆく自然を表現した歌は心に響くものがあります。大人になってからしみじみそう思います。
ヒガンバナはヒガンバナ科の多年草(Lycoris radiata)で、一応生薬でもあります(石蒜、せきさん)。鱗茎を用いますが、有毒のため内服で用いることはほとんどありません。吐いたり下痢してしまうからです。民間的にすりおろしたものを湿布薬として、肩こりや乳腺炎、乳房痛、腎炎に使うようです。しかし、花を愛でるだけにして、別の治療法を選択すべきでしょう。
ただ、球根にはデンプンが含まれているため、飢饉のときに救荒植物として食べられたこともありました。本当の最終手段です。すりつぶして何度も何度も水でさらして毒を抜いていました。
食べ物に困る時代、これからやってくるでしょうか。日本は食料自給率が低いのに、廃棄率も高い国です。食べ物をただエネルギーの補充源という考え方は改め、必要なときに必要なものを摂っていけるよう、食の重要性を考え直していきたいものです。(S)
9月初旬 |