紫苑の「花言葉」には幾つかありますが、「追憶」や「あなたを忘れない」があります。
薬効とは直接の関連はありませんが、その由来を「今昔物語」にみることが出来ます。
今は昔、親(母または父)を亡くした兄弟が欠かさず墓参をしていましたが、兄は悲しみを忘れるため「萱草:かんぞう」を墓に植えました。
弟は親への思慕を忘れないようにと「紫苑」を植え、その行為に感心した鬼(親の遺骸を守る役目を担う)は彼に予知能力を与えたそうです。
では、萱草には「悲しみを癒す」効果があるのでしょうか?
実は、あるとされているのです。中華料理で使われる「金芯菜」はホンカンゾウの蕾を乾燥させたもので「忘憂草」とも呼ばれています。元気がない時や憂鬱な時に食すと良いそうで、また、鉄分がほうれん草の約20倍あるとも言われ血虚の改善にも一役果たします。血の改善は思考や精神状態を安定させる役割があります。
「ユウスゲ」や「ニッコウキスゲ」も萱草の仲間なので御存知の方も多いと思います。「花言葉」には「苦しみからの解放」や「憂い、悲しみを忘れる」があります。
別名を「忘れ草」、文献によると古くは別れの悲しみを忘れる色として忌色に使われたそうです。(Y)